【薬剤師からのメッセージ・・・】

00/6/25 更新


・・・・今までのメッセージ・・・・

シャンプーはほどほどに・・・ (00/06/25)
かかりつけの薬剤師 PartU (00/04/25)
かかりつけの薬剤師 PartT (00/01/25)
熱さましの使いすぎ? (99/12/25)
冬季うつ病 暗愁 (99/11/25)
カルシウム (99/11/14)
ドナーカード (99/10/29)
ダメ!ゼッタイ!薬物乱用(99/9/28)
健康作りに効果的なスピードは?(99/6/29)
なぜ二度手間? (98/9/27)

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◆ シャンプーはほどほどに・・・ (00/6/25)

最近、若い女性でシャンプーのし過ぎから、皮フ炎や円形脱毛になってしまう例が出ています。

一般にシャンプーは、アワがたっぷり出て、香りのいい製品が売れています。しかし、洗浄力の強いシャンプーでゴシゴシ頭を洗ってしまうと、頭皮に炎症を起こしたり、フケや抜け毛の原因になってしまいます。

シャンプーしたのに、次の日にフケやカユミが強くなったことはありませんか?

シャンプーの洗浄力の強さは脂を落とす界面活性剤の比率で決まります。一般のシャンプーは、二十%から三十%の界面活性剤が入っています。つまり台所洗剤と同じ様にアワだちがいいのです。しかし、アトピー性皮膚炎の方や、肌が敏感な方は、その界面活性剤でかぶれてしまいます。

そんな要望から、漢方成分のシャンプーが開発されました。この製品には、わずか五%しか、界面活性剤が含まれていません。したがって、アワがほとんど出ませんが、すすぎが簡単で、汚れもすっきりとれます。肌の敏感な方、アトピーの方々に好評です。また、シャンプー嫌いのお子様も、すすぎが簡単とうけてます。

アワの出ないシャンプーは、始め物足りませんが、使い始めると、その優しさとすっきり感が好きになります。お試しください。


◆ かかりつけの薬剤師 PartU (00/4/25)

3月のポカポカ陽気のお昼、花粉症で鼻水をすすりながら、Sさんが来店されました。Sさんは、近所の耳鼻科で診察してもらってから、処方箋を持ってきてくれたのです。

『今日は朝から、くしゃみが止らず、鼻水もタラタラ。もう、台所に立つのも辛いの。』 と目を真っ赤にして話してくれました。さっそく、処方せんを見ると、アレルギーの症状を改善してくれる飲み薬と、点鼻薬、目薬が処方されていました。だれでも、使っているお薬の組合わせです。

しかし、Sさんは、随分前から近所の内科にも通院し、血圧の薬と、神経を安定させるお薬を続けておられます。内科の処方せんも、当薬局で調剤してますので、Sさんのお薬の記録 (薬歴) には、今お飲みになっているお薬や、今までのアレルギーの経験なども記載されています。

そこで問題になったのは、前から飲んでいる神経を安定させるお薬と、今日の花粉症のお薬は、とても飲み合わせが悪く、もし、知らないでいっしょに飲んでしまったら、心臓へ大きな影響が出る可能性が高い事が報告されています。

さっそく、耳鼻科の先生へご連絡して、お薬を変更してもらいました。Sさんのお薬の記録があるので、飲み合わせの危険性を未然に防げるわけです。もしも、それぞれの病院からお薬をもらっていたら、その危険性を回避出来たか解りません。  

あなたに一番安全な方法は、処方せんをもらったら、一番信頼できる薬局へ、どこの医療機関の処方箋も、持って行きましょう。お医者さんごとに、違う薬局へ持って行くのは、良い方法ではありません。  

そして、数年後には、患者さん一人一人が、ICカードを持って、自分の情報を持ち歩く時代になるでしょう。自分の身体は自分で守る時代ですね。


◆ かかりつけの薬剤師 PartT (00/1/25)

年末、年始は病院や町のお医者さんも、お休みになります。血圧の薬や糖尿病など、お薬を長く続けている方は、年末年始にお薬が切れていたなどと慌てる方も見受けられます。余裕を持って準備したいものです。

でも、同じ症状なのに、お薬が2週間分の人と、4週間分の人がいるのはどうしてでしょう。それは、お薬の種類によって、1回に投与できる期間が決まっているのです。新しく発売されたお薬は、長くても2週間までです。発売後1年以上過ぎて、安全性も確認されると1ヶ月まで投与出来るようになります。

新発売で効き目のすばらしいお薬は、全国の医療機関の医師や薬剤師がその薬を飲んでどんな変化が起きるか見守っています。そして、特定の患者さんにお願いして、情報を集めています。その情報は東京大学医学部の免疫学教室で分析され、お薬の新しいデータとして活用されます。

当薬局もこの活動に参加してます。皆様からのありのままのお話しを定期的にまとめて報告してます。お薬とまったく関係のないと思われる変化が、副作用の兆しの場合もあります。

お薬について、どんな事でも、気軽に聞けるのが「かかりつけ薬剤師」です。いつでもご利用ください。

◆ 熱さましの使いすぎ (99/12/25)

去年の冬は、インフルエンザが大流行しました。この冬も十一月頃から、風邪がしだいに流行してます。熱が出ると、すぐに解熱剤を飲んだり坐薬を使う方が多いですが、本当に、良い方法でしょうか?

風邪の原因は、大部分がかぜウイルスによって引き起こされます。残念ながら、かぜウイルスへの特効薬はありません。しかし、人間の身体には、かぜウイルスを撃退する免疫が備わっています。鼻やのどの粘膜からかぜウイルスは、身体の中へ侵入しようとしますが、ほとんどの場合は、鼻やのどの粘膜の繊毛によって外へ追い出されます。しかし、暖房などで空気が乾燥したり、温水プールで泳いだ後、タバコなどでその繊毛が弱くなると、かぜウイルスは、さっと体内に侵入します。異物が侵入すると、体内の免疫部隊は、その異物に攻撃を始めます。その時、体温が一度上昇すれば、身体の免疫活動は数倍になります。つまり、体温が三十七度台にすぐに解熱剤を使うのは考え物です。体温を上げる事によってかぜウイルスの攻撃に対抗しているのです。

 そして、かぜで寝込まないためには、かぜウイルスが身体に侵入した数時間が大切です。その最初の数時間でかぜウイルスを撃退してしまえば、咳や体力低下など、つらい症状が出る前に治ってしまいます。「少しかぜ気味かな?」と思った時に、かぜの漢方薬をお湯割りで飲めば、免疫力はすっと上昇し、かぜを治してしまいます。もし、そのかぜ気味と感じた時に、無理をしたり、寝不足、深酒などの不摂生をしてしまうと、かぜウイルスは、体内で急速に増殖し、のどや呼吸器に攻撃を加えます。さらに進むと、肺炎などの合併症も誘発してしまいます。まずは、外出後や食前の手洗いやうがいでかぜを予防し、もし、かぜを引きそうな予感がしたら、一刻も早く漢方薬のお湯割りを飲んでかぜを追い出しましょう。
 
そして、ひいてしまったら、症状に合わせたお薬で治療をする事が必要です。特に60才以上の方、体力の落ちている方は、発熱もしないのに、肺炎が広がっている場合があります。早めに専門医へ受診しましょう。

◆ 冬季うつ病 暗愁 (99/11/25)

 「うつ病」は、ストレスや不安が引き金になって起こる「心の病気」です。主な症状は抑うつ(常におさえられているような、気分が重く沈んだ状態)、原因がはっきりしないのに不安が続くと言った精神症状と、眠れない、食欲がない、体重が減少、身体がだるいなどの身体症状があります。

 特に、秋から冬にかけて抑うつ状態を示し春から夏にかけて症状が軽くなるタイプを「冬期うつ病」と呼んでいます。典型的には、2年以上にわたって、秋から冬にかけて抑うつ状態、常に眠い、体重減少などの症状を示し、夏には躁状態(楽天的、陽気で活発、、逆に突然不機嫌になったり、おしゃべりが止まらなくなったり、大袈裟な言動をする)などを示す事が報告されています。

 冬期うつ病に限らず、うつ病は、早期であれば、通院だけで十分治療が出来ます。しかし、治療には家族や職場の仲間など、周囲の人達の支えや助けも必要です。「最近様子がおかしいな」と思ったら、医療機関への受診を勧めましょう。

 また、うつ病は「病気」であって、「やる気や心がまえ」の問題ではありません。患者さんに、「がんばって!」とか、「気晴らしに旅行でも行ったら!」などの言葉は禁句です。周囲の人は、患者さんが治療に専念して、ゆっくり休養ができるように温かく見守ることが大切です。

◆ カルシウム (99/11/14)

 日本人はカルシウム不足と言われています。先日、骨粗しょう症で腰痛のおばあちゃんが、「病院で、血液中のカルシウムは、普通の人より多いと言われた。」と不思議そうにご相談に見えました。

 その原因は、長い間、カルシウム不足が続くと、血液中のカルシウム濃度を上げるために、副甲状腺ホルモンが分泌されます。すると、骨からカルシウムが溶けだして、血液中のカルシウム濃度が増加するわけです。ますます、骨が弱くなってしまいますね。

 また、血液中にカルシウムが多すぎると、そのカルシウムは血管に入り込んで、沈着します。しだいに、血管は弾力性を失い、傷も付きやすくなります。そこへコレステロールがたまると、いわゆる動脈硬化が進行します。カルシウム不足は、高血圧や心臓病、脳卒中にも影響するのです。
 
 では、どのようにしたら、カルシウム不足を防げるでしょう。カルシウムを多く含む食品としては、小魚類、乳製品、ゴマ、ひじきなどが知られています。なかでも、牛乳が一番良いと言われています。実際に、牛乳にはカルシウムばかりではなく、良質の蛋白質や、ビタミンも含まれ吸収が良いようです。しかし、牛乳が良いからと言ってそればかり飲んでいても場合によってはカルシウム不足になることがあります。つまり、カルシウム食品が十分でも、それらを身体の中で十分活用させる栄養素(マグネシウムなどのミネラル類、ビタミンDなど)を同時にとらなければ、意味がないという事になります。
 
 そして、毎日の適度な運動と日光浴も大切です。自分の身体に合ったウォーキングや体操など楽しく続けられる方法を探しましょう。習慣が変われば、身体も変わって行きます。

◆ ドナーカード (99/10/29)

 脳死後の臓器提供が話題となっております。臓器移植によって、健康を取り戻せる方は、提供してくれるチャンスを待ち望んでます。もしも、あなたが不幸にも亡くなった後、あなたの臓器でたくさんの方々の命を救う事が出来たら、それは素晴らしいことですね。では、臓器提供の意志を表したい時はどうすればいいでしょうか。

 厚生省.(社)日本臓器移植ネットワークで作成している『意志表示カード』(ドナーカード)にあなたの意志を書いてください。たとえば、心臓・肺・肝臓・腎臓・すい臓・小腸・角膜など、あなたの意志でカードに○を付けます。そして、最後にあなたのサインで完了です。また、この臓器提供の事は、家族にも説明して、家族の方からもサインしてもらえば完璧です。

 このドナーカードは、どこかに登録する必要もありません。あなたが持っていて、もしもの時は、ご家族の方が、そのカードを担当の医師に見せてください。そうすれば、あなたの意志は生かされます。
 
 あしかが薬局にも、このドナーカードがいつでも設置されています。日本薬剤師会の事業の一つとしてドナーカードの普及活動も行っているのです。カードは何枚でも無料です。そして、臓器提供者(ドナー)の側には、提供のための費用は一切かかりません。

 一度、ご家族でドナーカードを話題にして生命の尊さについて話し合ってはどうでしょうか。

  
◆ ダメ!ゼッタイ!薬物乱用 (99/9/28)

 「ダメ、ゼッタイ」という言葉を聞いたことがありますか?これは、世界の国々が一丸となって行っている薬物乱用の撲滅運動の合言葉です。最近、薬物乱用の増加・低年齢化が問題となっています。「お酒やタバコは良くてなぜ、薬物乱用はいけないの?」と子供に聞かれたらどう答えたらいいでしょうか。

 お酒や、たばこと、覚醒剤・大麻などの違いはなんでしょう。その大きな違いは、薬物をやめれなくなることと、幻覚や瞑想などの精神症状が起こることです。
 お酒やたばこは、その気になればやめられるし、止めても体調は変化しません。しかし、覚醒剤は、1回でも使用すると、薬の効果が切れた時に、激しい疲労感や憂うつ感に襲われて、再び薬物を使用せずにはいられなくなります。そして、くり返し使用するうちに、中枢神経が侵され、幻覚や瞑想があらわれます。

 「薬物を乱用しても、本人が苦しむだけなら自由じゃないか。」と考えている人がいますが、これは大きな誤りです。薬物乱用に走れば、学校、仕事、家庭などをかえりみなくなります。そして、薬を入手する資金のために、窃盗をしたり、幻覚、妄想から傷害や殺人事件をおこしたりして、無関係の人も巻き込んでしまいます。(薬物乱用者が、新幹線の中で殺人事件を起こしたことを覚えていますか?)薬物乱用が社会に広がれば、他人ごとでは済まされません。

 覚醒剤への警戒心よりも、覚醒剤への好奇心の強い若者が狙われています。覚醒剤を乱用した後遺症は、薬をやめても、五年から十年続きます。将来ある若者を薬物乱用から守る家庭、社会を作りましょう。


◆ 健康作りに効果的なスピードは? (99/6/29)

 歩く速さは人それぞれです。お買い物をしながらブラブラ歩く速さはノロノロ歩き、競歩する選手のスピードは、自転車より速いスペースです。

 健康作りに効果的で、身体に無理のかからないスピードは、時速5〜6キロだそうです。つまり、1分間に100メートル前後のスピードがベストです。

 今度は歩く時間です。最低でも30分、出来たら60分は連続して歩くことが効果的です。また、最初の10分はゆっくりしたペースで準備運動の歩き、次第にスピードを上げて時速5〜6キロまで加速し、最後の10分は再びゆっくりしたペースに落とし、クーリングダウン。このペース配分が身体にも無理がかからず、体の脂肪も燃えてくれます。


◆なぜ二度手間? (98/9/27)

今年の十月から、県立中央病院では、外来の患者さんは、院外処方せんになりました。つまり、お薬は、町の薬局から調剤してもらう事になります。もうすぐ、市内の病院はどこも院外処方せんになるでしょう。

では、どうして、2度手間に見える、このシステムが急速に普及しているのでしょう。
 
院外処方せんの発端は、ヨーロッパでの「毒殺防止」に始まりました。当時の王様が、今話題のヒ素入りカレーではありませんが、薬物で殺害されることを防止するために始めたのです。
 現代の病院からのお薬で毒殺なんて考えられないと思われるかもしれませんが、最近のお薬は効き目が飛躍的に良くなったと同時に、使い方や飲みあわせを間違えると、予想以上の副作用を起こす場合があります。抗がん剤と、皮膚病のお薬を知らないで飲みあわせて、死亡者が次々報告されたソリブジン事件も、つい数年前の惨事です。

 また、目に見える院外処方せんのメリットは、お薬の待ち時間がなくなる事です。病院からファクシミリで、「かかりつけの薬局」へ送り、後は、ゆっくりと家で一休みしてから薬局へ立ち寄れば、もう、お薬が出来て待ってますので、すぐにお薬を手に出来ます。体調の悪い時に、人ごみの中で待っている事は辛いですよね。

 そして、目にみえないメリットは、お薬の効き目や特徴を知り、正しく使う事によって、治療効果も早く出て、日本全体のお薬の使用量は少なくなると言われています。つまり、赤字で困っている健康保険を助ける救世主と期待されている訳です。


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