162号2005年 3月号 の記事から

熱が上がった、風邪かな?

の日差しとなってきましたが、まだまだ風邪やインフルエンザで突然の熱を出す方が多いようです。風邪で医師にかかると抗生物質を出されることが多いですね。これは日本だけの状況で、アメリカやヨーロッパでは、風邪で受診しても、抗生物質は処方されません。これは、風邪の原因の九割以上を占めるウイルスに抗生物質は効かないからです。日本の医師もこのことは知っています。

●抗生物質の安易な使い方は危険

れでも抗生物質を処方する意図は、「薬を出さずに風邪をこじらせ、肺炎にでもなったら困る」と言う気持ちからのようです。しかし、抗生物質を飲んでも肺炎の予防効果がないことは海外の研究でも明らかです。そればかりか、安易に抗生物質を使うと、その抗生物質で駆除された菌に代わり、薬の効かない耐性菌が増える可能性があります。もし、本当に肺炎を起こしたときに、抗生物質が効かず、治療が難しくなる恐れもあります。また、抗生物質は、全身の皮膚炎や下痢などの重い副作用が起きることもあります。
  しかし、風邪に似た症状で、抗生物質が必要な場合もあります。例えば、溶連菌感染による扁桃炎や、咳がしつこいマイコプラズマ性肺炎など専門医の診察が必要です。したがって医師にかかる目的は薬をもらうことではなく、重大な病気が潜んでいるのか診断してもらうことが大切です。
  風邪ならば抗生物質は不要で、医師に「抗生物質は飲みたくありません。」と伝えてみましょう。

●解熱剤は必要でしょうか?

が出るとすぐに熱を下げたくなるのが人情です。しかし、ウイルスや細菌は、体温が三七度以上になると増殖が抑えられます。したがって熱を上げることが身体の防御反応なのです。熱で苦しがったり眠れない場合は、三十七度台に解熱させてもいいのですが、頻繁に解熱剤を使うと体力を消耗し、病気を長引かせてしまうこともあります。熱が出たら、十分な水分やミネラルを補給し頭を冷やしながら安静にしましょう。ただし、熱が四日以上続く場合や、四十度以上の場合はすぐに受診しましょう。
  また、解熱剤を使う場合は、子供の場合は特に「アセトアミノフェン」を使いましょう。非ステロイド系抗炎症剤と呼ばれる一部の解熱剤(ボルタレン・ポンタールなど)を使用すると、小児のインフルエンザ脳症による死亡率が高まることが解っています。

 

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