166号2005年 7月号 の記事から

たばこは、なぜ悪い?

たちの肺は、身体に必要な酸素を取り込み、炭酸ガスを排出する仕事を、休まず行っています。喉から続く気管は、このガス交換を効率よく行うために、細かく枝分かれしています。末端の肺胞に至るまで、なんと23回枝分かれしているのです。そして末端の肺胞では、数ミクロンの毛細血管が網目のようになって、酸素と炭酸ガスの交換がうまく行くようになっています。この肺胞は、その先が行き止まりになっており、外から侵入した異物は、出て行く道がありません。タバコの煙に含まれる有害物質(ニコチン・タール)は、この肺胞までやってきます。貯まってしまった有害物質がどこへ行くでしょうか?

 その先は行き止まりですので、少しづつ貯まって肺全体が真っ黒になって行きます。正常な肺では、末端の細い気管には細かい繊毛と呼ばれる毛が生えています。この細かい毛が流れるように動き、体の外から入ってきた異物を、追い出します。その際、体液が繊毛をしっとり濡らし、異物を運び出しやすくお手伝いします。
  ところが、タバコを毎日吸うと、気道に入ってきた煙の粒子を、異物と判断して白血球の一つである、マクロファージや好中球がそのたばこの粒子を攻撃します。その際、タンパクを分解する酵素が分泌されるため、身体に大切な繊毛細胞も破壊してしまいます。また、繊毛をしっとり濡らしていた体液も止まるので、異物を外に出すことが出来ません。タバコを吸っている人が、空咳が出たり、タンが出にくいと感じたら、かなり進行しています。そしてついに、ガス交換を行っている肺胞も壊れてしまいます。
 このように、肺の末端では大変な事が起きているにも関わらず、自覚症状はまったくありません。息切れや動悸を覚える時は、すでに手遅れの状態です。

れ位、肺が侵されているか調べる簡単な検査があります。肺活量も一つです。だれでも20歳を過ぎると毎年20CC肺活量が低下します。しかし、タバコを吸っている人は、なんとその3倍の60CC毎年低下します。10年で600、20年で1200CCの肺活量が低下してしまうのです。これでは、体力も落ちて息切れするのは当たり前ですね。さらに詳しい検査は、一秒間にどれくらい息を吐き出させるかを測定する方法もあります。これによって、タバコによる肺の機能低下がはっきりします。

 このようにタバコが原因の肺気腫・慢性気管支炎を、COPDと呼んでいます。死亡原因ランキングで、現在は6位ですが、10年後にはガンを抜いて3位になると予想されています。たばこを吸う人のすべてがCOPDになる訳ではありませんが、2割はCOPDになると言われています。COPDと診断された方は、肺炎や肺ガンになる確立が、3倍から10倍に跳ね上がり、COPDの最後の姿は、窒息死です。

 ここまで解ってきた、タバコの害。それでもあなたは吸いますか?


48粒
\4,147
ニコレット

 

タイムスへ戻る
ホームへ戻る


あしかが薬局
〒990-2482 山形市上町1-9-7
TEL 023-647-1888 FAX 647-1889
薬剤師 高橋善三 高橋美和

Email:ashikaga@minos.ocn.ne.jp

All Rights Reserved, (C)Copyright 2000-2008 Ashikaga Drugstore
/by Ando&Ando Studio